ビタミンCを食物から摂取しても、一定以上、血中濃度が上昇することはありません。また、通常濃度のビタミンCは、抗酸化作用(体内に発生した活性酸素を除去する)により、皮膚の老化や免疫能の低下などを防ぐことでも知られています。それ故、ビタミンCは、エイジングケアや風邪をひいた時に有効であるとされます。
しかし、ビタミンCが血液中で高濃度(血中濃度で400mg/dl以上)になると、酸化作用(過酸化水素の発生)を示します。発生した過酸化水素は、正常細胞の場合は、酵素で分解されるため無毒となります。しかし、がん細胞は酵素が少ないため、過酸化水素が直接作用することにより、細胞は死に至ります。
つまり、抗酸化物質であるビタミンCは、強い酸化作用を誘導、がん細胞を死滅させますが、正常細胞にはダメージも与えることはないのです。
その後数時間すると、ビタミンCの血中濃度は低下、抗酸化作用を示す濃度に戻ることで、余分に発生した活性酸素を除去し、免疫機能を上昇させるのです。
そのため、低下している免疫機能や他のがん治療により弱った抵抗力を回復させる効果も期待されます。
そのため、最近は、抗がん剤治療や放射線治療と高濃度ビタミンC療法を併用される患者さんも増えています。