以前より、非ステロイド系抗炎症薬のアスピリンやスリンダク、セレコキシブ、抗血小板薬のバイアスピリンなどは大腸癌の原因となる大腸ポリープの発生を抑制することで癌を予防することが知られています。日本でもこれらの薬物を用いた大腸癌予防の臨床試験が始まっております。また、最近では糖尿病薬の中に癌の発生を抑制する可能性があることが知られてきました。先日、横浜市大の先生たちが発表したのは、糖尿病薬のメトフォルミンが膵癌の発生を抑制するという実験結果です。メカニズムはまだはっきりと解明されておりませんが、動物実験や細胞実験で癌の発生を抑制する糖尿病薬は他にピオグリタゾンがあります。これらの2剤は肺癌も抑制する可能性が示唆されています。糖尿病の方は昔から癌に罹りやすいと言われているので、糖尿病の薬に癌抑制効果があるのは朗報だと思います。逆にインスリン製剤やスルホニル製剤は癌の発生を促進するらしいです。他にコレステロールを下げるスタチンという薬は胃癌を、閉経後骨粗しょう症を予防するSERMと呼ばれる一群の薬は乳癌の発生を抑制するようです。これらの薬は癌予防薬として注目されています。もし自分が処方されている薬の中にこれらが含まれていたならば、せっせと服用する価値がありますので、中断しないほうがいいと思います。これからも様々な薬に癌予防作用が見つかるといいですね。